稲垣吾郎「心地のいい距離感を保てる人とだったら」約17年ぶりの決断で感じる“繋がること”
東京ウォーカー(全国版)
経験してみて自分自身が魅了されたものを「とことん突き詰めていきたい」
――今後お仕事で挑戦してみたいことはありますか?
【稲垣吾郎】「多重露光」を経験して、会話劇のおもしろさに改めて気付いたんです。その前は「サンソン -ルイ16世の首を刎ねた男-」という白井晃さん演出の規模が大きめの演劇をやっていたこともあり、その反動なのか「多重露光」のような小劇場での会話劇がすごく新鮮で、やっていて楽しかったんですよね。
だからまた会話劇をやりたいなと思っていて。映像作品もそうですが、やったことのないものよりも、経験してみて自分自身が魅了されたものをとことん突き詰めていきたいという願望があります。
――稲垣さんは雑誌の連載で映画を紹介されていますが、さまざまな作品に触れるなかで、監督業に挑んでみたいというお気持ちになることは?
【稲垣吾郎】監督って、現場や大勢の人たちをまとめる仕事でもあるじゃないですか。以前「半世界」という映画でご一緒した阪本順治監督が、「映画の監督を務めるからには、あらゆる部署の監督じゃなきゃいけない」と仰っていたんです。その言葉を聞いて、自分には無理だなと思いました。もちろん興味はありますし、いつか映画監督に挑戦するなんてスペシャルなことが起きたらおもしろいなとは思いますけどね。
――最近は俳優が短編や長編の監督を務めて作品を発表する機会が増えていますし、稲垣さんだったらどんな映画を作るのか興味がある人も多いと思います。
【稲垣吾郎】そう思っていただけるのはうれしいのですが…なにせ普段まったく頭にないことなので(笑)。もしかしたらプロデューサーの方が向いているのかもしれないと、今お話をしていて思いました。脚本はこの人、カメラマンはこの人みたいな感じで好きな人ばかりを集めて、それを“監督!お願いします!”ってできたら楽しいですよね。
ただ、僕は職人気質だから“演じること”を突き詰めていきたいというか、俳優という仕事が好きなので、これからもいろんな作品を演者としてお届けできたらいいなと思っています。
取材・文=奥村百恵
◆スタイリスト:黒澤彰乃
◆ヘアメイク:金田順子
(C)2021 朝井リョウ/新潮社 (C)2023「正欲」製作委員会
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