個人の「叶えたい」を形にするオリジナルツアーを主催し、環境負荷が少ない散骨体験クルーズも行う「えんの旅」の取り組み

東京ウォーカー(全国版)

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従来の観光ツアーとは違い、ゲストの「叶えたい」思いから作る、新しい旅行サービスを展開する「えんの旅」。どのようなツアーがあるのか、また2023年から行っている終活バスツアーについて、主催する「ハウスボートクラブ」の広報担当者に話を聞いた。

個人の思いを叶える旅が評判を呼んでいる


「えんの旅」は、思い出の地を巡る旅や、家族へのプレゼント旅行、大切な人の一周忌や三回忌の法要旅行、自由なひとり旅など、それぞれの願いに合わせたオリジナルプランを提案している。いずれもプロのコーディネーターが個々の思いに寄り添う形でツアー内容を作成。「こんなことは叶うはずがない」という思いにも、全力で応えられるようにサポートしている。

ツアー内容は千差万別だ。たとえば、とある女性から「旦那さんに普段は面と向かってお礼が言えない」という依頼を受けて、夫婦2人の旅行プランを作成。フォトアルバムを作成するためにカメラマンが帯同し、仲のいい2人の姿を次々と撮影。宿泊先ではご主人にサプライズで用意したマッサージのプレゼントと、夫婦2人の旅行を応援してくれた娘たちからの手紙が渡され、感動に包まれた。依頼した女性はもちろん、2人にとってかけがえのない思い出となったようだ。

2人の間にゆったりとした幸せな時間が流れる

娘たちからの手紙に感動。こうした演出も、ともに考える


ツアーはほかにも、女手ひとつで育ててくれた80代のお母さんと出生地を訪れる母娘旅行や、結婚式が叶わなかった2人が出会った浅草で婚礼写真を撮影する旅行など、多彩な内容で組まれる。いずれも、依頼者の気持ちに寄り添い、叶えたい思いを大切にしたものばかりで、利用者の満足度はとても高い。

母娘の旅行は、お互いにとってかけがえのない思い出に


「ハウスボートクラブ」では、2023年から終活バスツアーを行っている。きっかけは、創業当初から行っている「海洋散骨体験クルーズ」に参加したゲストから、家族や大切な人の埋葬方法をどうしたらいいか悩んでいるという問い合わせだ。昨今では墓の継承者がいないなどの理由から墓じまいを行う人も多く、「海洋散骨と樹木葬、どちらにするか迷っている」「親戚は納骨堂がいいとすすめているがどうしたらいいか」という声を聞くうちに、さまざまな埋葬方法を1日で比較しながら巡り、各所で専門家の説明を受けることができる終活バスツアーの企画に踏み切ったのだ。

2023年7月に東京で行われた終活バスツアーでは、まず上野さくら浄苑にある納骨堂を見学。その後、港区にある道往寺で樹木葬を見学し、住職から詳しい話を聞いた。納骨堂は気候や天候に左右されず参拝ができ、また屋外とは異なり掃除が不要なところや便利なシステムがメリットだ。樹木葬は、庭園デザイナーが手がける美しい庭園に埋葬。墓碑にはオーダーメイドで花やメッセージを掘ることができる。

納骨堂を見学する参加者たち

緑豊かな庭園内を歩きながら、樹木葬の説明を受ける


ビュッフェランチを楽しんだあとは、散骨体験クルーズへ。海洋散骨とは、個人の遺骨を粉末にして海に散骨する埋葬法で、合同散骨、チャーター散骨、代行散骨などがある。体験では骨に見立てた塩と花を海に撒いて黙祷。「明確なイメージが沸いた。体験できてよかった」など、参加者から満足の声も聞かれた。

散骨体験について説明をするスタッフ

【写真】海に塩と花びらを撒きながら、散骨体験


海洋散骨は、故人を自然の循環に還す葬送方法で、多様な葬送方法の中でも最も環境負荷がかからないと考えられている。「海から生まれた生命を、海へ還すのは、持続可能性を最も体現する見送り方だと思います」と話す広報担当者。一方で、運搬によるCO2排出などの課題も残るとも。「クリアすべき問題があるのも事実なので、豊かな海を守る活動に取り組みつつ今後も散骨体験を通じた葬送の場を形作っていきたいと考えています」。終活バスツアーは定期的に開催。次回は2024年6月に行われる予定だ。

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