山田杏奈「ベッドシーンは食事と同じ」、映画『ひらいて』で女性同士の濡れ場に挑戦

東京ウォーカー(全国版)

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芥川賞受賞作家・綿矢りさが2012年に発表した同名小説を原作にした映画『ひらいて』が、10月22日(金)より公開される。

映画『ひらいて』で主人公・愛を演じた山田杏奈


主人公の愛を演じるのは、映画『ミスミソウ』、『ジオラマボーイ・パノラマガール』などで主演を務め、ヒロイン役での出演作も多数と、存在感を発揮している女優・山田杏奈。「この映画を撮るために監督になった」と語る26歳の若手監督・首藤凜がメガホンを取り、思春期の苦しさといびつな恋慕を描く。

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思いを寄せる男子・たとえ(作間龍斗 HiHi Jets/ジャニーズJr.)に、密かに付き合っている彼女がいることを知り、その彼女・美雪(芋生悠)と接近することでふたりの関係に介入しようとする愛。こじらせた恋愛感情で周囲を振り回していく愛について「嫌いだけど愛さずにはいられなかった」という山田に、役作りや女性同士のベッドシーンについて、また自身への評価についてどう感じているか聞いた。

映画『ひらいて』メインカット(C)綿矢りさ・新潮社/『ひらいて』製作委員会


愛の「人間らしく感じる部分が、愛さずにはいられない要素」

――まず、愛について持たれたイメージを教えてください

【山田杏奈】役が決まってから原作を読んだのですが、客観的に見たら、愛は暴力的なところもありつつ、なりふり構わず進んでいく感じがおもしろい人。でも、周りに居たら嫌だなとか、ちょっと怖いなと思いました。

――「彼女が嫌いだけど、愛さずにはいられなかった」とオフィシャルコメントを寄せられていますが、愛に対してどんな思いを持っていますか?

【山田杏奈】いざ、自分が演じるという前提で読んだ時に、愛について考えても分からなくて、撮影中は「もう無理、嫌い」ってなっていました。ただ、どこか自分と通じる部分があるからこそ、混乱するところもあったと思うし、今になって少し引いて見てみると、すごく弱くて、周りを固めて無理やり道を作って進んでいくような人なんじゃないかなと。その人間らしく感じる部分が、愛さずにはいられない要素だと思っています。


――ご自身と通じると感じたのはどんなところですか?また、役作りについてはどんなアプローチをしたのでしょうか?

【山田杏奈】自分ではあまり意識したことのない部分でしたが、愛の中にある“奪いたい”とか、“自分のものにしたい”という感情は私も含め、みんなが持っているものだと思います。私はそれを行動に移せないけど、それをやってのけるのが愛なんです。根本にある衝動がカギになるキャラクターだというのを意識して、役作りをしました。

(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会


演じる時は、役のことを全部わかっていなきゃ、自分が役の一番の味方でいなきゃ、ということを常々思っているんです。でも、今回は愛について考えてもわからない部分が多く、いつもと同じやり方ができないのが大変で……。首藤監督と密にやりとりをしながら、自分と愛に通じるところや違うところを考えて、役に近付けていくというやり方をしました。初めての経験でしたが、理解できなくてもアプローチの方法はあるんだなという、学びのある現場でした。

――演技プランはしっかり固めて現場にもっていくタイプですか?

【山田杏奈】どう演じるか、想像できるところはなるべく考えて、練習して用意したうえで、現場で捨てるというのを目標にしています。相手のお芝居があってのものなので、現場でいいものを出すために、用意したものを捨てることに抵抗はないですね。


ベッドシーンは食事シーンと同じ。人と人の根本的な部分が見える部分

――首藤監督がお気に入りのシーンとして挙げている、美雪とのベッドシーンについてはどんな気持ちで臨まれたのでしょうか?

【山田杏奈】いい作品にするために必要ならやります、とは前から言っていましたし、台本を読んでも、ベッドシーンだからといって何か特別に思ったことはないですね。ただ、ベッドシーンは初めてだったので、どういうもんなんだろう?と。撮影はいつもよりしっかりと段取りがあって、アクションシーンの撮影みたいだなと思いました(笑)。

芋生さんは確かベッドシーンの経験もあったのと、ご一緒するのが3回目くらいだったので、頼れるお姉さんという感じでした。また、首藤監督が、愛と美雪がお互いの衝動や感情を受け入れる姿がきれいに見えるように、と大切に撮っていたので、いいシーンになればいいなと思って演じました。

(C)綿矢りさ・新潮社/『ひらいて』製作委員会


――性的なシーンも特別なものだと感じなかったのは、山田さんがこれまで観た作品などの影響などもあるのでしょうか?

【山田杏奈】ここで思い付く作品の名前を出して、何か意味を持ってしまうのも意図しないことなのでタイトルは伏せますが、映画のそういうシーンって食事なんかと一緒ですよね。生きるという意味での“生”の一部というか。

コミュニケーションのひとつとして素敵なシーンになっていたり、自分も相手もさらけ出す、人と人の根本的な部分が見えたりする行為だなと思います。だから、「それはできません」と言って、そういった人間的な表現がなくなるほうが寂しいと思います。

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